平和賞は戦争を起こした当事者が受賞しているとして批判になったことがありました。
ヘンリー・アルフレッド・キッシンジャー元米国務長官と北ベトナムのレ・ドゥク・ト元共産党書記がベトナム戦争終結を約したパリ協定の功労による平和賞を受賞しましたが、レ・ドゥク・トは受賞拒否して戦争も続いきました。
1945年に国連創設の功労で授与されたコーデル・ハルは日本に対米開戦を決意させたハル・ノートを提示した国務長官です。
日本の佐藤栄作は非核三原則について、平和賞を受賞しましたが、核を持ち込ませずについて、核の持ち込みを密約で容認していたのではないかとの説があります。
平和賞は受賞した人の国から反発されることがよくあります。
ドイツのカール・フォン・オシエツキー、ソ連のアンドレイ・サハロフ、チベットのダライ・ラマ14世、ミャンマーのアウンサンスーチー、中国の劉暁波などが挙げられます。
1958年にノーベル文学賞を受賞したボリス・パステルナークは、当時のソビエト連邦政府の圧力により授賞辞退を余儀なくされました。ただし委員会側が彼に一方的に賞を贈っています。
1957年の物理学賞を楊振寧(男性)・李政道(男性)が受賞し、呉健雄(女性)が受賞しなかったことについてノーベル賞選考委員会の性差別主義によるものとする批判がありました。
日本の一部の保守派の論客からは、ノーベル賞を日本人が過大評価すべきでは無いとの意見もあります。
政治的な中立性の問題から、とくに「平和賞」をめぐっては、自然科学分野に比べて、様々な政治的力の影響、軋轢を受けてしまうことを、まったく免れることは困難です。
しかしながら、それだからこその国際的な第三者的な評価としてのノーベル賞の役割が期待されるともいえるのです。Copyright© 2010-2020 All Rights Reserved.
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